「Office 2016、まだ使えているけど、このままで大丈夫?」そう思ってこの記事を開いた方も多いでしょう。
結論から言います。Office 2016のセキュリティ更新プログラムを含む延長サポートは、2025年10月14日に終了しました。 つまり、今この瞬間も、新しい脆弱性が発見されても修正されない状態で使い続けていることになります。
「でも、アプリ自体は動いているし…」という声も聞こえてきそうです。確かに、Office 2016のアプリケーション(Word、Excel、PowerPointなど)は引き続き起動して使うことは可能です。しかし、サポートが終了したということは、それに伴う重大なリスクがあるということ。この記事では、Office 2016のサポート終了後のリスクと、これから取るべき対策について、公式情報に基づいてわかりやすく解説していきます。
Office 2016のサポートは本当に終了したの?
はい、公式に終了しています。
Microsoftが公式サイトで発表しているライフサイクル情報によると、Office 2016のサポートは以下のスケジュールで終了しています。
- メインストリームサポート終了: 2020年10月13日
- 延長サポート終了:2025年10月14日
この「延長サポート」が終了したというのが、今回のポイントです。延長サポートでは主にセキュリティ更新プログラムの提供が行われていました。これが止まったということは、今後、Office 2016に新たなセキュリティ上の欠陥(脆弱性)が見つかっても、それを修正するプログラムが提供されないことを意味します。
Office 2016は2015年9月22日に発売されました。発売から約10年が経過し、Microsoftが定める製品ライフサイクルが完了したわけです。
サポート終了後にOffice 2016を使い続けるリスク
「とりあえず使えるからいいや」と思っている方は、以下のリスクをしっかり認識しておく必要があります。
セキュリティリスクの増大
これが最大のリスクです。サポートが終了すると、新しいウイルスやランサムウェアに対抗するための防御策(セキュリティ更新プログラム)が提供されません。
パソコンをインターネットに接続している限り、常に攻撃のリスクは存在します。Officeの脆弱性を突いた攻撃は、マクロウイルスなど昔からある手口から、より巧妙化したものまで多岐にわたります。サポートが切れているソフトを使い続けることは、自宅の鍵をかけずに外出しているようなもの。いつ侵入されてもおかしくありません。
互換性の問題
新しいバージョンのOfficeで作成されたファイルを開く際に、レイアウトが崩れたり、一部の機能が使えなかったりする可能性が高まります。また、新しいOS(Windows 11など)や周辺機器との互換性も、将来的に保証されなくなります。
テクニカルサポートの終了
Microsoftの公式サポート窓口では、Office 2016に関する問い合わせは基本的に受け付けていません。もしトラブルが起きても、自力で解決するか、有償のサポートを探すしかなくなります。
コンプライアンスリスク(特に企業の場合)
企業で利用している場合、サポートが終了したソフトウェアを使い続けることは、情報セキュリティポリシーや各種規格(ISO 27001など)への準拠において問題になることがあります。取引先からセキュリティ監査を指摘されるリスクも考えられます。
サポート終了後の対策:移行先をどう選ぶ?
「リスクは分かった。でも、どうすればいいの?」という方向けに、主な移行先の選択肢を比較してみましょう。
MicrosoftはOffice 2016のユーザーに対し、最新のサブスクリプション型サービスであるMicrosoft 365への移行を公式に推奨しています。しかし、それ以外にも選択肢はあります。
1. Microsoft 365(サブスクリプション版)
Microsoftが最も推奨する選択肢です。月額または年額のサブスクリプション(定額制)で利用します。
- 特徴・メリット:
- 常に最新バージョンのOfficeアプリが利用可能。
- セキュリティ更新が常に提供されるため、サポート切れの心配がない。
- 1TBのOneDriveクラウドストレージが付属し、ファイルのバックアップや複数デバイスでの共有が簡単。
- PC、Mac、タブレット、スマートフォンなど、最大5台(ファミリープラン)のデバイスで利用可能。
- 高度なセキュリティ機能(多要素認証、フィッシング対策など)が含まれる。
- デメリット:
- 買い切り型と異なり、継続的な支払いが必要。
- インターネットに31日以上接続しない場合、アプリが機能制限モードになる。
- こんな人に向いています:
- 常に最新の状態を保ちたい人。
- 複数のデバイスでOfficeを使いたい人。
- クラウドストレージや共同編集機能を活用したい人。
- サブスクリプション費用を運用コストとして考えられる人。
- こんな人には向いていません:
- サブスクリプション費用を負担したくない人。
- インターネット環境が不安定な場所でしか使わない人。
2. Office 2024(買い切り版)
従来の買い切り型(永続ライセンス)Officeの最新版です。
- 特徴・メリット:
- 1回の購入で永続的に利用できる(ただし、サポート期間は限られる)。
- サブスクリプション費用がかからない。
- Office 2016と同じように、慣れたインターフェースで使える。
- デメリット:
- サポート期間は2029年10月9日までと、約5年間に限定されている(延長サポートなし)。
- 新機能の追加はなく、セキュリティ更新のみ。
- OneDriveなどのクラウドストレージは付属しない。
- こんな人に向いています:
- サブスクリプション契約を避けたい人。
- 長期間同じバージョンを使い続けても問題ない人。
- こんな人には向いていません:
- 常に最新機能を利用したい人。
- クラウド機能を活用したい人。
- 5年後にまた移行を考えたくない人。
注意点: Office 2024もサポート終了が決まっています。買い切り版を選ぶ場合は、次のサポート切れのタイミングも考慮に入れておく必要があります。
3. Google Workspace(代替案)
Microsoft製品以外の選択肢として、Google Workspace(旧G Suite)も有力です。
- 特徴・メリット:
- Gmail、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドなどのWebベースのオフィスツール。
- ブラウザさえあれば、どこでも利用可能(アプリのインストール不要)。
- リアルタイム共同編集機能が非常に強力。
- 無料版(Googleアカウント)でも利用可能。
- デメリット:
- オフラインでの利用機能は限定的。
- Microsoft Officeファイル(特に複雑な書式やマクロを使用したファイル)との互換性でレイアウト崩れが発生することがある。
- こんな人に向いています:
- チームでの共同作業が多い人。
- 複数デバイスでシームレスに作業したい人。
- コストを抑えたい個人や小規模チーム。
- こんな人には向いていません:
- Microsoft Officeとの完全な互換性を求める人。
- オフライン環境での利用が多い人。
- Excelの高度なマクロ機能を多用している人。
4. LibreOffice(無料の代替案)
完全無料のオープンソースオフィススイートです。
- 特徴・メリット:
- 完全無料で広告なし。
- Writer(Word相当)、Calc(Excel相当)、Impress(PowerPoint相当)などに対応。
- オフラインで利用可能。
- コミュニティによって継続的に更新・開発が行われている。
- デメリット:
- Microsoft Officeと完全な互換性があるわけではない(複雑なレイアウトやマクロは非対応)。
- Microsoftのテクニカルサポートは受けられない。
- こんな人に向いています:
- コストをまったくかけたくない人。
- 基本的な文書作成・表計算のみで十分な人。
- こんな人には向いていません:
- Microsoft Officeとの完全な互換性が必要な人。
- 高度なマクロ機能を利用している人。
- 企業などでサポート体制を求める場合。
よくある疑問(Q&A)
Q1. サポートが終了してもOffice 2016は使えますか?
A. はい、アプリ自体は引き続き使用できます。 ただし、セキュリティ更新プログラムは提供されないため、上記で説明したリスクがあることを理解したうえで自己責任での利用となります。
Q2. Microsoft 365はオフラインで使えますか?
A. はい、インストールされているアプリはオフラインでも使用できます。 ただし、定期的なインターネット接続(最大31日間隔)が必要です。接続しない場合、機能が制限された状態になります。
Q3. 企業でOffice 2016を使い続けるのは問題ですか?
A. セキュリティリスクが非常に高く、情報漏洩などのインシデント発生時に大きな責任問題になりかねません。 また、セキュリティ監査で指摘される可能性も高いため、早急な移行が推奨されます。
Q4. Office 2019は移行先としてどうですか?
A. Office 2019もOffice 2016と同じく、2025年10月14日にサポートが終了しています。 そのため、移行先としては不適切です。
Q5. Office 2021はどうですか?
A. Office 2021のサポート終了日は2026年10月13日です。 まだサポートは残っていますが、買い切り版である以上、いずれは終了します。移行先として検討する場合、その次のサポート切れまで約5年と短いことを考慮する必要があります。
まとめ:今すぐできること
Office 2016のサポートは終了しました。使い続けることは可能ですが、それはセキュリティリスクと隣り合わせであることを強く認識してください。
最初に結論を繰り返しますが、Office 2016の延長サポートは2025年10月14日に終了しました。 すでにサポートは切れています。
では、具体的に今から何をすればいいのでしょうか。
- まずは現状を認識する: 自分や会社で使っているOfficeのバージョンを確認しましょう。
- 移行先を比較検討する: この記事で紹介したMicrosoft 365、Office 2024、Google Workspace、LibreOfficeなどの選択肢を、自分の使い方や予算に照らし合わせて比較してみましょう。
- 早めに移行計画を立てる: 特に企業の場合は、移行に伴うコストや手間(ファイルの互換性確認、社内教育など)を考慮し、早めに計画を始めましょう。
Office 2016は「まだ使える」から「使わないほうがいい」フェーズに入っています。この機会に、安全で快適な新しい環境への移行を検討してみてはいかがでしょうか。


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