「米、売ってないんですけど…」
スーパーやドラッグストアの米売り場を見て、そう思ったあなた。実は今、米が店頭に並びにくい理由は、2024年の「令和の米騒動」とはまったく違うものになっています。結論から言えば、全国的に米が足りていないわけではありません。むしろ在庫は過去最大級で「米余り」の状態なんです。それなのに売っていない――このギャップが今の混乱の正体です。
この記事では、なぜ在庫があるのにスーパーに米がないのか、2026年7月時点の最新データとともに解説していきます。価格がこれからどうなるのか、いつ買いやすくなるのかまで、しっかり見通しをお伝えします。
米が売ってないと言われる理由は「品切れ」じゃない
「米 売ってない」で検索すると、多くの人が過去の「令和の米騒動」に関する情報にたどり着くかもしれません。2024年夏の猛暑による不作や需要急増で、確かに日本中で米が消えました。でも今の状況は、あの時とまったく違います。
農林水産省のデータによると、2026年5月末時点の民間米在庫量は223万トンに達しています。これは過去最大だった2014年の水準に並ぶ数字です(中日新聞Web、2026年7月)。在庫があるのに店頭にない。このパラドックスこそが、今の「米が売ってない」状況の本質なんです。
2025年と2026年では「売ってない」の意味が違う
「売ってない」と一言で言っても、その中身は時期によってガラッと変わります。2025年のピーク時と現在を比較してみましょう。
2025年、店頭の米は文字通り消えていました。消費者の買い占めと流通の混乱で、スーパーの棚は空っぽ。5kgの平均価格は4,000円を超え、最高で4,416円まで跳ね上がりました(読売新聞、2026年7月)。緊急措置として転売規制も導入され、フリマアプリでの出品が禁止される異常事態でした。
ところが2026年7月現在、店頭には米が積まれています。ただ、それは「売れ残っている」米です。卸売業者が高値で仕入れた在庫がなかなか減らず、スーパーも新たな商品を入れにくい状況になっています。5kgの平均販売価格は3,500円前後に下落していますが(時事ドットコム、2026年7月16日)、消費者から見ればまだ高い。買いたくないから売れない、売れないから新しい在庫が入らない――この悪循環が、結果として「売ってない」という感覚を生み出しているんです。
2026年1月に転売禁止が解除!でも今はどうなってる?
「フリマアプリで米が買えるって聞いたけど、本当?」という疑問を持つ人もいるでしょう。2026年1月22日、国民生活安定緊急措置法に基づく米穀の譲渡制限が正式に解除されました(メルカリ公式情報サイト、2026年1月)。これにより、メルカリなどのプラットフォームで個人間の米の取引が再び可能になっています。
でも、注意が必要です。2026年7月現在、米は在庫過多の状態ですから、転売規制が解除されたからといって「また買い占めが起きるのでは」と心配する必要はありません。むしろ問題は逆で、市場には米があふれているのに値段が高すぎて買い手がつかない。だから店頭にも並びにくい。この構図を理解しておかないと、「転売禁止が解除されたのに米が売ってないのはなぜ?」と混乱してしまいます。
消費者は高い米を買わなくなった
実は、2025年の価格高騰で消費者の行動は大きく変わりました。米穀安定供給確保支援機構のデータによると、2025年度の1人1ヶ月当たりのコメ消費量は前年度比6.1%減の4,435グラムでした(高知新聞、2026年7月)。値段が上がったから、パンや麺類にシフトした人が増えたんです。
これが今の「米が売ってない」状況に直結しています。消費者が買わないからスーパーも積極的に仕入れない。そして、すでに仕入れた高値の在庫が売れ残り、新たな商品を置くスペースすら確保できない。つまり「売ってない」のではなく「売ろうとしても売れず、結果的に棚に新商品が入ってこない」という状態なんです。
これから米の価格はどうなる?2026年秋以降の見通し
ここからは、これからの見通しについて考えてみましょう。実は業界では、2026年産米の価格暴落を心配する声が強まっています。
過去最大の在庫と「コメ余り」の未来
先ほど触れた223万トンという在庫は、2026年産米の収穫期を前に過去最大級の水準です。需要は減っているのに作付け面積は増えていますから、この在庫がさらに積み上がる可能性が高い。五ツ星お米マイスターの講演でも、「猛暑が前兆だった」「今は在庫過多とコメ離れが深刻化している」との指摘がありました(神戸新聞、2026年3月)。
一方で、JAなどの農業団体は政府備備蓄米の早期買い戻しを求めています。民間市場に出回っている在庫を政府が買い戻せば、需給バランスが改善されるという考え方です(時事ドットコム、2026年7月16日)。
米価はさらに下がる?農家の経営もピンチ
米卸最大手・神明HDの社長は2025年末、「コメ適正価格は5キロ3,500円」と発言していました(マイナビ農業、2026年3月)。実際に2026年7月にはその水準に到達しています。問題はここからです。
作付け面積が増え、消費は減っている。このままだと2026年産米の価格はさらに下落し、農家の経営を圧迫することが懸念されています。つまり「米が売ってない」どころか、「米が作れなくなる農家が出てくるかもしれない」という深刻な局面を迎えつつあるんです。
今、米を買いたいならどうすればいい?
「未来の話はいいから、今すぐ米が欲しい」というあなたのために、現実的な対策をいくつか紹介します。
スーパーの特売日を狙う
今は「高い米を買いたくない」という消費者心理が働いているので、スーパーも値下げせざるを得ないタイミングが出てきます。チラシやアプリで特売情報をチェックしておくと、通常より安く購入できるチャンスが増えています。
ネット通販やフリマアプリも選択肢に
転売規制が解除されたので、メルカリなどのフリマアプリでも米を探せます。ただし、価格は送料込みで計算するとスーパーより高くなることも多いので、よく比較してから購入しましょう。特にコシヒカリやあきたこまちといった銘柄米は、ネットの方が安いケースもあります。
輸入米や業務用米も視野に入れる
どうしても価格が気になるなら、タイ米や国産でも業務用の大容量パックを検討する手があります。味にこだわりがなければ、この方法でコストを大幅に抑えられます。
おすすめの銘柄と購入ポイント
ひとめぼれは価格と味のバランスが良く、初心者にもおすすめです。ななつぼしも北海道産で人気が高く、冷めても美味しいと評判です。どちらもネット通販で比較的安定して入手できます。購入の際は、送料込みの総額と、届くまでの日数を必ずチェックしてください。
米が売ってない「今」をどう捉えるか
「米、売ってない」――この言葉の裏には、実は複雑な経済のメカニズムが隠れていました。在庫があっても値段が高ければ売れない。売れなければ新たに入らない。消費者の buying power(購買力)と価格のせめぎ合いが、今の店頭を作り出しています。
だからこそ、焦って高値で買いだめする必要はありません。価格は下落基調にあり、在庫も潤沢です。2026年秋の新米シーズンが近づけば、さらに価格が落ち着く可能性が高い。それまでは、特売やネット通販を賢く活用しながら、自分のペースで米を確保していけば大丈夫です。
米が「売ってない」からといって慌てずに、この状況をチャンスと捉えてみてください。価格が下がるタイミングを見極めながら、家計に優しい買い方ができるはずです。

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