Android 9(パイ)搭載のスマートフォンを今も使っているあなた。「そろそろ買い替えなきゃいけないのかな」「まだ使えるけど、このままで本当に大丈夫?」——そんな不安を感じているのではないでしょうか。
結論から言うと、Android 9のセキュリティサポートはすでに終了しています。ただし、「明日から一切使えなくなる」わけではありません。何が起こりうるのか、どんなリスクがあるのかを正しく理解したうえで、自分にとって最適な判断をする——そのための材料をこの記事でお伝えします。
Android 9のサポート状況はどうなっている?
Android 9は2018年8月6日にリリースされました。Googleが提供するOSとしてのセキュリティアップデートは、すでに終了しています。
これはどういうことかというと、新しい脆弱性(セキュリティ上の欠陥)が見つかっても、Android 9向けにそれを修正するプログラム(セキュリティパッチ)が提供されない状態です。Googleが公開しているセキュリティパッチの対象バージョンは、2025年9月以降はAndroid 13以上が中心となっており、Android 9はそこに含まれていません。
端的に言えば、Android 9は「セキュリティ面で放置されている状態」と理解しておくのが妥当です。
各メーカーのサポートもすでに終了
OSのサポートはGoogleだけでなく、スマートフォンメーカーやキャリアの提供状況にも左右されます。Android Enterprise Recommendedプログラムに参加しているメーカーの情報を見ると、Android 9を搭載して出荷された機種のセキュリティアップデートは、すでに2021年から2022年頃に終了していることが確認できます。
つまり、Android 9搭載端末は、メーカー・キャリアのいずれの観点から見ても、サポート期間を過ぎているのが現実です。
Android 9を使い続けると起こるリスク
ここからが本題です。Android 9は確かに「動きます」。電源も入るし、一通りのアプリも起動します。しかし「動くこと」と「安全に使えること」は別物です。具体的にどんなリスクがあるのか、見ていきましょう。
セキュリティリスクが極めて高い
Android 9がセキュリティパッチの対象外になったということは、新たに見つかった脆弱性に対して、無防備な状態であることを意味します。
サイバー攻撃は日々進化しており、古いOSの脆弱性を狙った攻撃は後を絶ちません。脆弱性が公開されたその瞬間から、悪意のある第三者がその穴を狙い始める——これが現実です。
Android 9を使い続けることで、以下のようなリスクにさらされる可能性が高まります。
- ウイルスやマルウェアへの感染リスク
- 個人情報(連絡先、メッセージ、写真など)の漏洩
- クレジットカード情報やパスワードの窃取
- スマートフォンが遠隔操作されるリスク
特に、ネットバンキングやQRコード決済、SNSなど、個人情報を扱うアプリを使う場合は、リスクがより顕著になります。
主要アプリのサポートが順次終了している
OSのサポートが終了すると、アプリも順次対応を終了していきます。すでに具体例が出始めています。
- Google Chrome:バージョン138がAndroid 9をサポートする最後のバージョンで、2025年8月5日以降のChrome 139はAndroid 10以降が必要となりました。つまり、Android 9では今後新しいChromeのバージョンにアップデートできません。セキュリティアップデートを含まない古いブラウザを使い続けることになり、Web閲覧時のリスクが高まります。
- 楽天モバイルのRakuten Link:アプリバージョン3.7.0以降はAndroid 10以上が必要となるため、Android 9でのサポートが終了します。キャリアのアプリが使えなくなるというのは、通信サービスを利用するうえで大きな支障になる可能性があります。
これらの動きは、他のアプリにも広がっていくと考えられます。LINE、PayPay、各種銀行アプリなど、生活に欠かせないアプリが順次、Android 9のサポートを終了していくでしょう。各アプリの公式発表を注視する必要があります。
新しい機能やサービスが利用できない
Android 9は4年以上前のOSです。その後のAndroid 10、11、12、13、14、15、16ではさまざまな機能が追加され、セキュリティやプライバシー保護の仕組みも大きく進化しています。
Android 9を使い続けると、以下のような新しい機能やサービスが利用できなくなる可能性があります。
- 最新の生体認証(顔認証や指紋認証の精度向上)
- プライバシー保護機能(アプリごとの権限管理の細分化など)
- 新しい通信規格や周波数帯への対応
- 最新のアプリで提供される新機能
「まだ動いているけど、このまま使っても大丈夫?」——よくある疑問に答えます
読者の多くが抱く疑問に、改めてお答えします。
Q:今のところ普通に動いているけど、このまま使い続けても本当に大丈夫?
A:動くことと安全であることはイコールではありません。これまで問題がなかったとしても、脆弱性が公開された後は、攻撃のリスクが急激に高まります。特に2025年後半以降、Chromeをはじめとした主要アプリのサポート終了が相次いでいることから、「これから」のリスクは確実に高まっています。
Q:アップデートを繰り返せばAndroid 9でも最新の状態にできる?
A:残念ながらできません。Android 9の端末にAndroid 10以降を提供するかどうかはメーカーとキャリアの判断次第です。多くのAndroid 9搭載端末は、すでにアップデートの提供が終了しています。
Q:ウイルス対策アプリを入れれば安全?
A:ウイルス対策アプリは一定の防御にはなりますが、OS自体の脆弱性を完全にカバーすることはできません。あくまで補助的な対策と考えるべきです。
Android 9端末をどうするべき?3つの選択肢
リスクを理解したうえで、Android 9搭載端末をどう扱うか。選択肢は主に3つあります。自分の使い方と照らし合わせて判断してみてください。
選択肢1:メイン機として使い続ける(非推奨)
インターネット接続せず、個人情報も入れず、アプリも新しく入れない——そんな使い方ならリスクは限定的です。しかし、多くの人が日常的に使うスマートフォンでそれを実現するのは現実的ではありません。
ネットバンキングや決済アプリを使うなら、メイン機としての利用はやめたほうがよいでしょう。もしどうしても使い続けるなら、少なくとも以下の対策を検討してください。
- 重要な個人情報(クレジットカード、銀行口座)を端末内に保存しない
- 公共Wi-Fiには接続しない
- 怪しいリンクやメールの添付ファイルを絶対に開かない
- 端末内のデータをこまめにバックアップする
これらはあくまで応急措置であり、リスクをゼロにするものではありません。
選択肢2:サブ機(専用デバイス)として用途を限定する
Android 9端末を完全に捨てる必要はありません。以下のような使い方なら、リスクを抑えながら活用できます。
- 目覚まし時計として使う(Wi-Fiオフ)
- 音楽プレーヤーとして使う(オフライン再生のみ)
- 電子書籍リーダーとして使う(通信を切った状態で)
- 子供用の学習端末(インターネット接続を制限した状態)
ただし、いずれの場合も、インターネット接続を極力オフにし、個人情報を入れないことが前提です。
選択肢3:新しい端末に買い替える(推奨)
最も確実な対策は、最新のOSが搭載された端末に買い替えることです。
新しい端末を選ぶ際は、以下のポイントを確認するとよいでしょう。
- セキュリティアップデートが長期にわたって提供される機種か
- Android Enterprise Recommendedに登録されている機種か(メーカーによる長期サポートが期待できる)
- 自分が使いたいアプリがすべて対応しているか
買い替えのタイミングとしては、今がちょうどよい時期かもしれません。なぜなら、Android 9がセキュリティパッチの対象外になってから時間が経過し、アプリのサポート終了が現実味を帯びてきているからです。被害が出てからでは遅い——そう考えて動くのが賢明です。
Android 9はいつまで使える?結論
あらためて「Android 9はいつまで使えるのか」という問いに答えましょう。
技術的には「今も使える」が、安全に使える期間はすでに終了しています。
電源が入り、アプリが起動するという意味での「使える」は続くでしょう。しかし、セキュリティリスクに耐えながら使うかどうかは、あなた自身の判断に委ねられています。
- セキュリティパッチは提供されない
- 主要ブラウザ(Chrome)のアップデートは停止した
- 主要アプリのサポートが順次終了し始めている
これらを総合的に考えると、Android 9搭載端末を「安心して使える」状態ではなくなっていることは間違いありません。
今すぐ確認すること
まずは自分のスマートフォンがAndroid 9かどうかを確認しましょう。
- 設定アプリを開く
- 「システム」→「端末情報」→「Androidバージョン」を確認
Android 9と表示されたら、この記事でお伝えしたリスクを踏まえたうえで、購入検討を始めることをおすすめします。
スマートフォンはもはや「電話」ではなく、私たちの生活の中心にあるデバイスです。そこに個人情報が詰まっていることを忘れないでください。安全が保証されない状態で使い続けることは、知らないうちにリスクを背負い込むことと同じです。
新しい端末への買い替えは確かにコストがかかります。しかし、個人情報の漏洩や金銭的な被害に遭ってからでは、そのコストははるかに大きくなります。リスクを正しく理解し、自分に合った判断をしてほしいと思います。
もし買い替えを検討するなら、長期間のセキュリティアップデートが保証されている機種を選ぶと安心です。最新のOSを搭載した端末なら、新しい機能やサービスも存分に楽しめます。Android 9が「使える」うちに、次の一手を考え始める——それが賢明な選択ではないでしょうか。

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